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ここでは、後遺障害の第七級について記載します。
①後遺障害等級表
等級 | 後遺障害 | 保険金(共済金)額 |
第七級 | 一 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
二 両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 三 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 四 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 五 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 六 一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの 七 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの 八 一足をリスフラン関節以上で失ったもの 九 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 十 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 十一 両足の足指の全部の用を廃したもの 十二 外貌に著しい醜状を残すもの 十三 両側の睾丸を失ったもの |
1,051万円 |
②第七級第一号「一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの」の症状
※失明については、こちらをご覧ください。
※視力が○○○以下になったものについては、こちらをご覧ください。
③第七級第二号「両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」の症状
両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のものが該当します。
70dBはセミの鳴き声(2m)ややかんの沸騰音(1m)の音量です。
50dBは家庭用クーラーの室外機や換気扇(1m)の音量です。
※最高明瞭度については、こちらをご覧ください。
④第七級第三号「一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」の症状
一耳の平均純音聴力レベルが90dB以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上のものが該当します。
90dBは犬の鳴き声(5m)や騒々しい工場の中の音量です。
60dBは洗濯機(1m)や掃除機(1m)の音量です。
⑤第七級第四号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」の症状
高次脳機能障害認定システム確立検討委員会の平成12年12月18日付報告所「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムについて」によると、「一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの」が該当する。
⑥第七級第五号「胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」の症状
例えば、交通事故による負傷で胃の全部又は一部を失ったことにより、(ⅰ)~(ⅲ)の症状全てが残存した場合に該当します。
(ⅰ)消化吸収障害(胃の全部又は一部を切除したことにより、食餌が十分に消化されなくなるために起こる症状です。)
(ⅱ)ダンピング症候群(胃の幽門部(胃の出口の部分)を切除したことにより胃の内容物が急速に腸に送られるため、食後にめまい、起立不能等の症状を生じるものをいいます。)
(ⅲ)胃切除術後逆流性食道炎(胃の噴門部(胃の入り口の部分)を切除したことにより胃液等が食道へ逆流するために、食道に潰瘍等を生じ、胸焼け、胸痛等の症状を生じるものをいいます。)
⑦第七級第六号「一手のおや指をを含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの」の症状
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※手指を失ったものについては、こちらをご覧ください。
⑧第七級第七号「一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの」の症状
※手指の用を廃したものについては、こちらをご覧ください。
⑨第七級第八号「一足をリスフラン関節以上で失ったもの」の症状
※足をリスフラン関節以上で失ったものについては、こちらをご覧ください。
両足をリスフラン関節以上で失った場合は第四級第七号ですが、片足の場合は第七級第八号に該当します。
⑩第七級第九号「一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」の症状
「上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、(ⅰ)~(ⅱ)のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものを指します。
(ⅰ)上腕骨の骨幹部又は骨幹端部(以下「骨幹部等」)にゆ合不全を残すもの
(ⅱ)橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
※偽関節とは、折れた骨がくっつかない状態で固まってしまい、関節ではない部位がまるで関節のように動いてしまう状態です。
※ゆ合不全とは、折れた骨の治癒が停止または遷延し、骨がゆ合せず、骨折部分がまるで関節のように働く状態です。
⑪第七級第十号「一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」の症状
「下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、(ⅰ)~(ⅲ)のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものを指します。
(ⅰ)大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
(ⅱ)脛骨及び腓骨の両方に骨幹部等にゆ合不全を残すもの
(ⅲ)脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
⑫第七級第十一号「両足の足指の全部の用を廃したもの」の症状
「足指の用を廃したもの」とは、(ⅰ)~(ⅱ)のいずれかに該当する場合を指します。
(ⅰ)おや指の場合
(ア)末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
(イ)中指指節関節又は指節間関節の可動域が健側の可動域の1/2以下に制限されるもの
(ⅱ)おや指以外の指の場合
(ア)中節骨若しくは基節骨を切断したもの
(イ)近位指節間関節又は遠位指節間関節において離断したもの
(ウ)中指指節関節又は近位指節間関節の可動域が健側の可動域の1/2以下に制限されるもの
両足の足指全部にいずれかの症状が残存すれば、第七級第十一号が認定されます。
⑬第七級第十二号「外貌に著しい醜状を残すもの」の症状
「外貌」とは、腕や足以外で日常露出する部分(頭、顔、首等)を指します。
「著しい醜状」とは、(ⅰ)~(ⅲ)のいずれかに該当し、人目につく程度以上のものを指します。
(ⅰ)頭部:てのひら大(指部分は除く)以上の瘢痕又は頭蓋骨のてのひら大(指部分は除く)以上の欠損
(ⅱ)顔面部:鶏卵大以上の瘢痕又は10円硬貨大以上の組織陥没
(ⅲ)頸部:手のひら大(指部分は除く)以上の瘢痕
⑭第七級第十三号「両側の睾丸を失ったもの」の症状
「両側の睾丸を失ったもの」とは、(ⅰ)~(ⅱ)のいずれかに該当する場合を指します。
(ⅰ)男性の場合
(ア)両側の睾丸を失ったもの
(イ)常態として精液が形成されなくなった(精液中に精子が存在しない)もの
(ⅱ)女性の場合
(ア)両側の卵巣を失ったもの
(イ)常態として卵子が形成されないもの
⑮ご自身やご家族が第七級に該当するのでは?とお考えの方
自賠責保険における第七級の労働能力喪失率は56%です。
限度額は1,051万円です。
どの症状が残存したとしても、事故前と同様に労務を行うことは非常に大変ですし、難しいでしょう。
また直接第七級の症状が残存しているだけでなく、その他の症状も併発している可能性があります。
適正な等級取得を行うことで、将来発生するであろう金銭的負担は軽減が可能ですので、専門家に相談してみましょう。
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