後遺障害の等級~第十一級編~

このページでは、後遺障害の第十一級について記載します。

 

 

①後遺障害等級表

 

等級 後遺障害 保険金(共済金)編
第十一級 一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

三 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

四 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

五 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

六 一耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

七 脊柱に変形を残すもの

八 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの

九 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

十 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の推敲に相当な程度の支障があるもの

331万円

 

 

 

②第十一級第一号「両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」の症状

 

「眼球に著しい調節機能障害を残すもの」とは、調節力が通常の場合の1/2以下に減じたものを指します。

調節機能の検査には、アコモドポリレコーダーが用いられます。

調節力が1/2に減じているか否かは、障害の発生した眼が一眼のみであって、障害の発生した眼の調節力に以上がない場合は、当該他眼の調節力との比較により判断する。

ただし、障害の発生していない眼の著節力が1.5D以下である場合や、健眼がない場合に55歳以上の場合には、既に実質的な調節機能は失われていると認められるので後遺障害の対象とならない。

また、両眼に障害が発生した場合及び障害の発生した眼が一眼のみであるが障害の発生していない眼の調節力に以上(調整力が1.5D以下)が認められる場合は、年齢別の調節力を示す調節力値との比較により判断する。

なお、事故により水晶体を摘出した場合には、調節力がまったく失われることから、「眼球に著しい調節機能障害を残すもの」として取り扱うものとされる。

「眼球に著しい運動機能障害を残すもの」とは、眼球の注視野の広さが1/2以下に減じたものを指します。

「注視野」とは、頭部を固定し、眼球を運動させて注視できる範囲を指します。注視野の広さは、相当の個人差があるが、多数人の平均では、単眼視では各方面約50度、両眼視では約45度である。注視野の測定にはゴールドマン視野計が用いられます。

 

③第十一級第二号「両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの」の症状

 

「まぶたに著しい運動障害を残すもの」とは、開瞼時(普通に開瞼した場合)に瞳孔領を完全に覆うもの又は閉瞼時に角膜を完全に覆い得ないものを指します。

 

 

④第十一級第三号「一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの」の症状

 

※まぶたに著しい欠損を残すものについては、こちらをご覧ください。

 

 

⑤第十一級第四号「十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」の症状

 

※歯科補綴を加えたものについては、こちらをご覧ください。

 

 

⑥第十一級第五号「両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの」の症状

 

両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上のものを指します。

40dBとは、静かな住宅地のお昼程度の音量です。

 

 

⑦第十一級第六号「一耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」の症状

 

一耳の平均純音聴力レベルが70dB以上80dB未満のもの又は一耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のものを指します。

※最高明瞭度については、こちらをご覧ください。

80dBとは、ピアノ(1m)の音量です。

70dBとは、セミの鳴き声(2m)ややかんの沸騰音(1m)の音量です。

50dBとは、家庭用クーラーの室外機や換気扇(1m)の音量です。

 

 

⑧第十一級第七号「脊柱に変形を残すもの」の症状

 

「脊柱に変形を残すもの」とは、(ⅰ)~(ⅲ)のいずれかに該当するものを指します。

(ⅰ)脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等により確認できるもの

(ⅱ)脊椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く)

(ⅲ)3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

 

 

⑨第十一級第八号「一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの」の症状

 

※手指を失ったものについては、こちらをご覧ください。

 

 

⑩第十一級第九号「一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの」の症状

 

※足指の用を廃したものについては、こちらをご覧ください。

 

 

⑪第十一級第十号「胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの」の症状

 

例えば、交通事故による負傷で胃の全部又は一部を失ったことにより、(ⅰ)~(ⅲ)のいずれかの症状が残存した場合に該当します。
(ⅰ)消化吸収障害(胃の全部又は一部を切除したことにより、食餌が十分に消化されなくなるために起こる症状です。)
(ⅱ)ダンピング症候群(胃の幽門部(胃の出口の部分)を切除したことにより胃の内容物が急速に腸に送られるため、食後にめまい、起立不能等の症状を生じるものをいいます。)
(ⅲ)胃切除術後逆流性食道炎(胃の噴門部(胃の入り口の部分)を切除したことにより胃液等が食道へ逆流するために、食道に潰瘍等を生じ、胸焼け、胸痛等の症状を生じるものをいいます。)

そのほか生殖器関連では、狭骨盤又は比較的狭骨盤(産科的真結合線が10.5cm未満又は入り口部横径が11.5cm未満のもの)も第十一級に該当します。

 

 

⑫ご自身やご家族が第十一級では?とお考えの方

 

後遺障害の第十一級の労働能力喪失率は、20%です。

限度額は、331万円です。

自賠責保険の限度額だけで見れば、後遺障害の程度に比べて金額が安すぎると感じられるかと思います。

ですが、自賠責保険の限度額を超える部分に関しては相手方の任意保険等に請求をかけることができます。

その際、適正な慰謝料等を受け取るためには、適切な後遺障害の等級が認定されていることが条件です。

ただ適切な等級認定と言われても、なにをどうすればよいのか分からないという人が多いと思います。

また、治療途中でも「このくらいなら我慢できるし、相手方にも悪いから」等の理由で通院を辞めてしまう人もいらっしゃいます。

しかし、何をすればよいか分からない、多分これでいいだろう等を積み重ねていっても、適切な等級が認定されることはないでしょう。

きちんと専門家に相談し、どうすればよいのか具体的に話を進めていくべきです。

「相手方と揉めて金額を上げるのは嫌だ」とお考えの方こそ相談するべきです。

どうすれば相手方と揉めずに、穏便に適切な損害額を受け取ることができるかを知っているのは、やはり専門家です。

 

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